2013年4月16日火曜日

【書籍】 浅井祥仁 『ヒッグス粒子の謎』 祥伝社新書 2012.9


2012.7にCERNでヒッグス粒子と考えられる粒子が発見されたが、その実験に関与。

p.67 電子とニュートリノは、もともと同じ粒子だったのに、真空の作用によって電子に見えたり、ニュートリノに見えたりするのではないか。クォークやレプトンも同様。
p.70 ヒッグス場とヒッグス粒子は異なる。真空にヒッグス粒子が詰まっている絵は間違いで、真空がヒッグス場という状態になっている。
p.77 これからは真空とか時空を研究対象にすることになると思う。
p.126 ファインマンが「時間を遡っていく粒子が反粒子」と解釈。真空中のあるところから粒子と反粒子が突然パッと現れたり、逆にそこにあった粒子と反粒子がパッと消えたりする。不確定性原理で「ウソ」が許される。
p.140 学生には、(一見関係のないことも)勉強して、それらを組み合わせて遊んでみるように言っている。「役に立たない勉強はない」と説教する。
p.163 素粒子には、物質を形作っているクォークやレプトンなどの素粒子と、力を伝えているゲージ粒子の2種類あると考えられていたが、ヒッグス粒子はそれらとは大きく異る。粒子を全部取り囲む「容れ物」として質量を生み出している粒子が見つかったことで、粒子だけでなく、真空を含めた「容れ物」の物理が非常に重要になる。
p.183 超対称性物質は、暗黒物質の最有力候補。

 ■ 書籍情報入手先   ★☆☆☆☆
  『新聞書評(2012.9-12)』 2012/9/30 毎日新聞
  『みすず2012年読者アンケート』 140.永田洋 地学
所 在
  県立 大学429.6A83

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