2013年4月12日金曜日

【書籍】 三浦展編著 『下流同盟 格差社会とファスト風土』 朝日新書 2006.12


ファスト風土の本場、アメリカを行く、みたいなものと、日本の房都市、ヨーロッパのファスト風土録。
ただ、よくわからないのは、ウォルマートは悪魔でもないのでだから、なぜ、こういう事態になるのかについての考察がほしいところ。
ショッピングセンター等ができると、パパ・ママショップがつぶれ、非正規雇用が増えるので下流社会となるとの論は奇妙だ。非正規雇用は少なくとも食さえあれば低かもしれぬが、賃金が保証されるのに対し、パパ・ママショップではいくら働いても収入がないことも想定されるのではないか。数字で示してほしいな。
また、グロバリゼーションの結果、国内製造業の空洞化、サービス業への就業者増加が理由であろうとしている。だから、こそ、製造業はデザイン勝負、性能勝負で世界に勝とうとしているのではないか。こういう部分にどうして目を向けないのだろう。

☆こういうと、悪いのだけど、「お前ら、消費者(お客さま)は神さまです、と言われていい気になっていると、下流同盟に強制加盟するぜ」、みたいな、啓蒙的発想、あるいは、上から目線を感じてしまうのは私だけだろうか。

☆三浦展氏は新潟県出身であるという。最近、坂口安吾の吹雪物語を読んだ。出身地の新潟を舞台にしている。どうも、新潟県出身と聞くと、吹雪物語のイメージから逃れられない。青森と聞くと、太宰の「津軽」を連想するのかもしれないが。

■ 書籍情報入手先   ★☆☆☆☆
  『日本語力をつける文章読本』 第3部第14番 2012.8
■ 所在
  7FS304ミ

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