2011年3月6日日曜日

【書籍】 坂井三郎 『続 大空のサムライ 回想のエースたち』 光人社 1970.8

勝負師たる飛行機乗りの日頃の訓練法。

p.138-140
空中戦のその日の夜、研究会を開いて、空戦の戦訓をさぐった。敵の戦法はもちろんのこと、若いものの犯したミス、どうしれば早く確実に墜とせるかなどについて……それが終わると、私は私なりに、小隊長としての戦法を反省し、最後に、一人の戦闘機パイロットとして、一人の勝負師として、もう一度、その日の戦いをまぶたの中に再現してみることをおこたらなかった。
夜寝るときは、かならずノートと鉛筆を枕もとに置いた。空中戦のすばらしい戦法やヒントとなる夢を見たときは、ゴソッと起き上がってすぐメモをしてまた眠る。
理論よりも、一戦一戦の戦訓を、自分の心と身体に、がむしゃらにたたきこんだ。
勝負師としての修行は、身体の健康、知能の健康、精神の健康の3つを確実に保つことである。知能は自分の専門分野におけるスペシャリストになること。

p.334 勝負師というものは、どんな危機に遭遇しても、日ごろから、勝負師として必要と思われるあらゆる条件を探究し、そして鍛え、どのような悪条件下でも、これが最後と思われるような事態に直面しても、投げずに、あきらめずに日ごろ試したおのれの力を信じて頑張って頑張り抜かなければならない。またそういう者にのみ、活路は開けてくるものである。

■ 書籍情報入手先   ★★☆☆☆
  『松岡正剛の書棚』 第5巻(3) 中央公論新社 2010.7
■ 所在
  県立'76 地域サービス'84 市立書庫'68

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