2008年10月12日日曜日

【書籍】 『知的複眼思考法』 苅谷剛彦 講談社、1996.9

大学の学生の授業をもとにかかれている。

筆者は、「常識」とされるフレーズ、キーワードが出てくれば、なんとなくわかったように気になる状況を思考停止と呼んでいる。
痛いな。
factは何か。思いこみは何か。著者はどっかにリードしようとしていないか。
いろんな立場で考えられないか。なぜ、なぜを繰り返す。
なぜそれが問題なのか。そもそもその問題を設定している理由・背景は(だれが得をし、損をしているのか)

こうした意識は新聞などの記事を読むとき注意しなければいけない事柄である。
新聞記事が事実と思いこむ人々は多い。学校で批判的に読む、批判的に考える訓練がなされていないからだと思われる。

学生向けの本だが、おとなでも、もう一度意識してみた方がいい。(自分の仕事や得意分野以外では新聞ネタをそのまま受け止めてはいないか。)

□ 本書の推薦図書
  1.西研 『ヘーゲル・大人のなりかた』 NHKブックス 1995.1
  2.西研 『哲学のモノサシ』 NHKブックス 1996.5
  3.折原浩 『デュルケームとウェーバー』(上・下) 三一書房 1981.12
  4.増田四郎 『大学でいかに学ぶか』 講談社新書 1966.5
  5.浅羽道明 『大学で何を学ぶか』 幻冬舎 1996.4
  7.ロラン・バルト 『神話作用』 現代思潮社 1967.7
  6.『パパラギ-はじめて文明を見た南海の酋長ツアイビの演説集』 立風書房 1981.4
  9.創造の方法学 高根正昭 講談社現代新書 1979.9
  10.苅谷剛彦 『大衆教育社会のゆくえ』 中公新書 1995.6

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.3) 52番
  静岡県立大学教員推薦の100冊第8番
■ 所在
  市民図書館 8F人文141.5カ
       

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